地図づくりの現在形

日本の地図づくりに関する明治からの歴史や関連する技術について、国土地理院OBである著者の知見を披瀝した書物。
地図は機械的に作られているものではなく、人が足で土地の形を確かめながらときには想像も交えて作れられてきた芸術品であることがよく分かる。たしかにきれいに作られた地図は陰影などもよく考えられていて美しい。

しかし人工衛生やデジタル化によって地図が紙の上からデータに変わることによって、最新のものが簡単に手に入るようになるとともに、いろいろな情報が加わって利用されるようになったことや、災害等へのリアルタイムの活用がつい最近できるようになったことなど、今後の地図の発展についても、ベテランならではの記述。


ブラック・スワン(上・下)

ブラック・スワン(黒い白鳥)は日本ではコクチョウといわれて珍しくもないが、オーストラリアで発見された当時は、スワン(白鳥)は白いものと信じられていたことから、驚きをもって捉えられた。議論を、白いカラスがいるかどうかという話に置き換えて考えると、そもそも黒い鳥をカラスと称しているのだから、白いカラスが見つかったとしてもそれはカラスではないというのは詭弁で、生物学的には同じ種に属するもので羽の色が違うだけの白いカラスがいれば驚くだろう。

このような、「ありえないことが起こりうる」たとえとしてブラック・スワンという言葉が用いられ、従来の確率論が適用できない不確実な事象が特に金融分野で起こりうることを議論した書物。リーマンショックなどを経験したいまでは納得が行く話だが、出版当初2007年はその直前であり、あたかもリーマンショックを予測したかのような受け止め方がその後された。




時間はどこから来て、なぜ流れるのか?

とても興味のある話なのだが、ニュートン力学の世界から抜け出せないので、どうしても理屈で理解しようとなると、途端に難しく感じてしまう。重力圏から遠ざかるほど時間は遅く進むとか、時間は流れていないとか、考え方を知りたいのだが読みこなせなかった。