5日 ストレスを味方につける

こころの波風の原因としてのストレス

  • ストレスの正体はわかりづらい
  • いいストレスもある
    何も困ったことがない状態であればのんびりとぼんやりとしてしまう、強すぎてもアタマが麻痺して行動が取れない。
    ほどほどのストレスを感じている状態がそれをバネに最もパフォーマンスが上がる。

ストレスを味方につけるには

ストレスは避けることができないものが多い
ストレスを強く感じすぎないようにすること(ストレスを感じるのはやむを得ない)
自分でコントロールできるものと考えて立ち向かうことができればプラスに使うことが出来る

方法
  • 自分の変化に気づく
  • 3つのCに配慮する
     1. コミュニケーション 人とのつながりを大事にする。手助けを得る。
     1. コントロール感覚 自分にはできるという認識が自信になる。自信ができると前向きに進むことが出来る。根拠のある自信(できたという認識)
     1. コグニション(認知) 冷静に自分の強み(弱み)を考える

剣道部の例
「自分が強いと思いすぎるな」(スポーツでは、自分は強いと思わせることが多い=カラ元気)相手も強い。
 自分の強み(弱み)と相手の強み(弱み)を冷静に捉えて、自分の強みを相手の弱みにぶつける

ストレス対処にも得意分野と苦手分野がある

人間関係で感じやすい人仕事で感じやすい人がいる
何かを達成しようという気持ちの人は人間関係でギクシャクしてもストレスは感じないが、仕事が旨く行かないとストレスになる。
逆に、人間関係が旨く行っていれば仕事が旨く行かなくてもストレスは感じない人もいる。
自分がどちらのタイプなのか理解していると旨く行く。

まとめ

普段の心は自動操縦だが、旨く行かないときは手動操縦に切り替える。つまり、心のアラームが鳴った時は、振り返って行動や思考をチェックする


4日 考え方をしなやかにする

前回(心のスイッチを入れる)は「行動」に着目する話だが、今回は行動の前の「考え方」に注目する。

「落ち込む」「不安な気持ち」=極端な考え方になっていることが多いので、これをチェックする。

「知らない人とすれ違った時、無視された」→ 自分の落ち度?(=考え方)

その「考え方」が当たっているかどうかはわからない。相手はたまたま急いでいて気づかなかったかもしれない(という他、いろいろな可能性を考える)。
可能性の中かから事実を確かめることで次の行動に進む。

人間関係のもやもやは「思い過ごし」も多い。
その裏側の可能性はたくさんあるので、その可能性を確かめることで思い過ごしが分かる。
仮に最悪の可能性であったとしても、次に解決する手立てを考えることができる。
思い込んでいるだけ問題解決は進めない。
悩んでいるときは、非科学的に考えすぎている。

  • 前向きな考えとは、問題のない明るい考えではない。次に(前に)進む行動が取れることが前向きの考え方。

3日 こころのスイッチを入れてみよう

やる気が出ないときにどうしたらスイッチを入れられるか

何もしたくない時は、何か大変なことが起きているという認識がある。
そこから逃げようという気持ちが働き、自分の殻に閉じこもろうとすると、自分の世界に増々入っていき、元気がなくなる。

やる気や意欲は、何かをしてよかったなと思えるときに出るので、逆にできなかったときは、自分はだめなんだと思って、意欲が出なくなる。
そういう心の状態や行動パターンを変えていくことが必要。

実際に気力が出ないときは、どう出すように誘導、行動していくか。

一週間の行動を振り返る、記録を取る。
  • ある行動で、気持ちが沈む、逆に楽になる元気になる行動に気づく。
  • やりがいを点数化(行動に近い早い段階で。落ち込んで記録すると点数が悪化する。)するなど。
やり甲斐のある行動、気持ちが楽になるような行動を増やしていく。
  • 辛くなることをやめるのは難しいが、何かをしないようにというのは逆にしたくなる(甘いものをやめるなど)。そこで楽しいことに置き換えることができる。
  • 点数の低いものはやめようとすると却って囚われてしまうが、人間の時間は上限があるのでやり甲斐のあることを増やすことで、他の活動は自然と減る。

2日 認知行動療法を知る

認知行動療法とは

アーロン・ベック(1960)が唱えた、人の認知機能に目を向けて心をコントロールするという考え方。

認知とは

  • 眼の前に起きていることをどういうように受け止めて判断しているか
  • 判断によって人の気持ちは瞬間的に変わるので認知は意識的にコントロールできないが、判断は変えることが出来る
  • 感情が動く前の段階に着目する

もともと人間はマイナスに考えるようにできていて(=ネガティビティバイアスという)、何かが起こると、「大丈夫かな?」とまず考える。

物音(危険予知)ー何が起きているか(確かめた判断)ー風だー安心

認知行動療法

人の気持ちが落ち込んでいるときには、「自分にとって大切なものを失った」という判断をしている。
どこに目を向けているか(面白かった、断られた)
よくないことが起きるとマイナスに目を向けてしまう。良いことの方に考えを切り替える。
マイナスに考えていることに気づく。マイナスに考えることを否定する必要はないが、そればかりになっていることは悲観的になる。
きちんとした情報を集めることが出来るかどうかによって気持ちの状態が変わる。

仕事でミスをしたーしかられるかもしれない(実際に叱られているわけではない)ー何も対処しないー隠してしまうと問題が大きくなる。

現実的に考え対処することで、ミスをしたときの落ち込んだ気持ちが小さくなる


初日 気分の変調は心のアラーム

気分が優れないとき

心のバランスが崩れてエネルギーが変調を来している
* 興味がない
* 悲しい
* 睡眠・食欲に変調

兆候(うつ・不安)が出る

変化をこころが感じて兆候で伝えようとしている
* 落ち込んでいる・・・何か大切なものを失ったと感じている
* 病気・・・健康な自分を失う
立ち止まって対処するようにメッセージを出しているが、なかなか感じ取れない。
「まだ頑張れる」「頑張れよ」と励ますことでメッセージが消えてしまう。兆候を捉えたら立ち止まって考えるきっかけとする。

どういうときに兆候が出るか

  • 何かを喪失したとき
  • 大変なことが起きていると感じているとき
  • 起きるのではないかと心配しているとき
    立ち止まって具体的に考えてみることが役立つ

人は落ち込むと考え方に変化が出る

  • 「否定的」「悲観的」 (自分)だめだ、能力がない
  • 「周囲との関係」  (周り)よく思われていない、うっとおしいと思われている
  • 将来への悲観  (将来)この先旨く行かない

不安な気持ちになぜなるか

生命の保存本能から、事象を一旦は悪く考えて、確かめながら安心を得ていく過程の入り口にいる状態のまま。
* 危険性を過大評価
* 物事を悪い方に評価
* 自分を過小評価
* 周りのサポートを過小評価
している。

兆候に気がつくコツ

自分のこころの状態を振り返る。
* 憂鬱な気持ち、心配、イライラに目を向ける。
* 毎日の活動(楽しめたことが楽しめない、人づきあいが億劫)の変化
* 体調(食欲・睡眠・胃腸の調子)の変化
アラームに気づくこと
* いつもとは違う状態になっていないかを意識してアラームに気づく。
* 今日はどうだろうかと振り返る時間を持つ(5分)
*