ブロックチェーン 相互不信が実現する新しいセキュリティ


2019年2月6日読了

ビットコインではなくブロックチェーンの解説本。
ハッシュ値というものの概念や、暗号化や圧縮との違いの説明に半分を使っているが、おそらくこれが分かっていないと本当の意味でのブロックチェーンのことが分からないからだろう。
決して冗長ではない。

後半はビットコインを例として取り上げつつも、ありがちな疑問点を解説することに注力している。
ビットコインの支払をもとの取引とは違う金額でする際の影響など、疑問にあっても答えてくれる人はいなかった。当然、彼らは自ノードではなく、ウォレットを通じた処理しか経験していないので仕方がない。そういうわけで、本書は、あくまでもブロックチェーンというものを理解することに重点を置いているということが、最大のウリになっている。

ブルーバックスらしく科学的立場で、賛成するでもなく反対するでもなく、何がベネフィットで何が弱点なのかというところを概括的に理解させようとする試みはありがたい。