出雲神話論

古事記に描かれている出雲神話は日本書紀においてはかなりの部分が端折られている。
この事実を紐解いていきながら、出雲が古代日本海の交易の拠点の一つであり越の国や筑紫の国と交流しつつ国家としての成立をなす前の一つの自治的な経済圏であったことを議論した内容。
文学者としての立場から古代史や考古学とは少し離れた視点で、ある意味、自由に論じているので学術的にどう評価されているかは不明だが、もともと自由は発想がなければ学問の進歩もないので、これまでの大和中心の日本史観に対してもさらなる出雲研究が期待されるきっかけでもある。