コンピュータ囲碁 ―モンテカルロ法の理論と実践

2016年7月19日読了

アルファ碁がプロ棋士を打ち破って以降、コンピュータによる対局が注目されているが、いささかの違和感を禁じ得ない。
もとからそういうソフトを作ってみたいなと思いつつも、数学やプログラミングなど、いろいろな知識が要求されるので、片手間に趣味で取り組むものでもないとの認識はある。

本書に惹かれたのは、「モンテカルロ法」という副題がついていたからで、これは確率論的に物事を判断する際に用いられる方法で、コンピュータの資源のふんだんに使っていわばたくさんのケースをランダムに発生させて、ある法則や解を導出しようとするやり方だ。

では囲碁でモンテカルロ法がどのように使われるかとなると、最終局面までをランダムに手を打つことを繰り返して、もっとも勝率の高い手を次の一手として着手するという方法だ。もちろんこれだけでは8級程度にしかならないらしく、禁じ手や詰碁などのロジックを組み込むことで強くしていくそうだ。

このモンテカルロ法が導入されて、囲碁ソフトはがぜん強くなったという。しかし、ランダムに打ってみて確率で次の手を選ぶという方法は、いわば試し打ちをしてうまくいくかどうかを確かめたうえで対局するわけだから、そもそも勝負の条件が人間と全く異なっている。これをコンピュータが人を相手にして勝利したという説明は誤っており、人工知能なるものに誤った期待を抱かせるもとになっているのではないか。

本書は主要なアルゴリズムのソースコードがついており、概念ではなく実装された世界でのコンピュータがどのように動いているかがある程度分かる点が面白いが、読み解くのはむつかしい。

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