ブラック・スワン(上・下)

ブラック・スワン(黒い白鳥)は日本ではコクチョウといわれて珍しくもないが、オーストラリアで発見された当時は、スワン(白鳥)は白いものと信じられていたことから、驚きをもって捉えられた。議論を、白いカラスがいるかどうかという話に置き換えて考えると、そもそも黒い鳥をカラスと称しているのだから、白いカラスが見つかったとしてもそれはカラスではないというのは詭弁で、生物学的には同じ種に属するもので羽の色が違うだけの白いカラスがいれば驚くだろう。

このような、「ありえないことが起こりうる」たとえとしてブラック・スワンという言葉が用いられ、従来の確率論が適用できない不確実な事象が特に金融分野で起こりうることを議論した書物。リーマンショックなどを経験したいまでは納得が行く話だが、出版当初2007年はその直前であり、あたかもリーマンショックを予測したかのような受け止め方がその後された。

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