寿司屋

昨日は、先日退職された大先輩にたいし、永年お世話になったお礼に、千駄木の「たい寿司」に行った。
http://www.taisushi.com/
会社から自宅へ向かう方向とは少しずれるし、他に用事がある場所でもないので、滅多に行かない。そのかわり、昇進、結婚、出産、退職などのお祝い事があった人に、それにあやかるために、勝手に「めでたい寿司」と称して、連れて行くことにしている。過去、7年の間に5回くらい行っただろうか。
店は板さん一人で切り盛りするにはちょうどいい大きさで、L字型のカウンターには8名くらいと、小さなテーブル席が二つあり、開店以来、板さんとおふくろさんと二人でやっている・・・・と思っていたら、昨日はきれいな女性が店員さんに加わっていた。尋ねたら、奥さんだった(2年前に結婚したらしい)。これまた、物静かでいい雰囲気である。
板さんは、私より少し若いくらいだと思うが、腕は確かで、特に魚の旨味を引き立てかたがいい(こういうありきたりの表現をするのは失礼なのだが、少なくとも、私が釣りをして自分で魚を楽しむという前提の理解での表現ではあるのだが、所詮、言は意を尽くさずである。)。職業は別でもプロ意識のある人からは、何か通ずるものを感じる。
突き出しは、湯葉。濃厚な豆乳の味なので、醤油は1滴だけ隠し味程度にかけていただく。大葉を一緒に口に入れると、これがまた豆の香りと醤油の隠し味との微妙なバランスが口の中で芸術のように溶け合う。
シンコ(コハダの稚魚)の握りも初めてだったが、コハダは癖があるというイメージを払拭してくれた。
昨日はシマアジがお勧めのようだったが、自分で釣れないので遠慮して、私のいつものお勧めは、しめ鯖と穴子の握りだ。
しめ鯖は、よく脂の乗ったサバが「浅く」しめてあり、酸っぱいとか塩辛いということがまったくない。サバそのものの刺身のようなしめ鯖である。釣りをやってサバを釣ったらぜひ作ってみたいのだが、最近は脂の乗ったいいサバがなかなか釣れなくなった。
アナゴの握りは、かるくツメがかけられたものと、ゆずの香りで食べさせるものと、二種類あるが、どちらも口の中でアナゴの香りがほんわりとして、思い出すだけでもよだれが出てしまう。
ここの寿司は、おそらく味は当然として香りをとても大事にしているように思える。魚と香りとは、あまり結びつかないかもしれない。いやむしろ、魚の臭いが気になるのが普通だが、そこに挑戦しているのではないかと勝手に考えている。
旨い魚には、やはり御燗があう。先輩も私も夏でも御燗という口なので、ビールは最初の一杯で切り上げ、早々にお酒に変える。自分で選んだお猪口で、うまいネタに酒と来れば・・・・嗚呼、至福のひととき!
(お)調子に乗って、2合徳利3本と1合1本を二人で空けてしまい、今朝はやや頭が痛いのはいつものパターン。さて、先輩へのお礼はできたのだろうか。
実は未だかみさんを連れて行っていないという後ろめたさがあるのだが、そのうち。
また何かおめでたいことを探すとしよう。


イサキ@金沢八景一之瀬丸

釣果:イサキ4(小さい)
竿1.5m、天秤、プラビシ30号のライトタックル。
釣座:右舷胴の間
会社の創立記念日休暇を利用して仲間内5人で平日釣行。
昨年は、田子の浦に出かけて、観測史上最高の時間当り降水量(記録的集中豪雨)を経験しただけに、今年は場所を変えて復活を期す。

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天皇の戦争責任

加藤 典洋 、竹田 青嗣、橋爪 大三郎 (著) 径書房 (2000年)
天皇の戦争責任
もちろん昭和天皇である。
本書は、ゴーマニズムの橋爪と文学者である加藤との対談を中心として記述されており、哲学者であり在日コリアンの竹田が両者の間に立って議論の行方を整理するという、面白い形式をとっている。

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