「ムダ毛」

最近、この車内広告がやたらと目につく。ひと頃、男性雑誌広告の女性の半裸写真が問題になったが、私はこの「ムダ毛」広告がもっと問題を抱えているように思う。

人間の身体にムダなどそもそも無い。よく「盲腸のような」という表現をするが、盲腸とて哺乳類の進化過程の残滓である。無駄ではないのだ。

ムダにはあっても仕方がない、邪魔な存在、もしかするとない方がいいかもしれないという意味である。
それはだれが決めたわけでもない。単に毛を抜くサービスをしている業者が勝手に決めたことで、思考停止状態の女性が「ムダ毛」ときいて、「その毛はあってはならない」「ない方が美しい」と勝手に解釈して、さらには「脱毛」のために来店して大金を払ってくれることを期待しているのだろう。

しかもそれが腕や足など見えるところならまだしも、XXゾーンなど最初はよくその意味がわからなかったが、わかった瞬間になぜそんなところまでと疑問を持たざるをえないような脱毛サービスもあるらしい。車内広告であるということは、広く大衆を対象としているのであるから、特定領域の客を想定しているではない。

しかし、考えてみると「お前はなぜヒゲを剃るのか」と聞かれると、そういうものだからとしか答えようがない。

などなど、考えていると下車駅に付く通勤電車である。

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