ローマ人の物語17・18・19・20-悪名高き皇帝たち1・2・3・4

塩野七海(著)新潮文庫(2005年)

ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、そして「暴君」という蔑称が付されるネロの時代。アウグスツス以降の「悪名高き」
皇帝時代を客観的なスタンスで著述する。

著者は「皇帝」すなわち一人に権力が集中するという仕組は、大ローマを治めるためには必要な方法であったとする。

ただし権力が集中する場合には、チェック&バランスが効く仕組が働くかどうかが常に重要な点であることは言うまでもない。
悪名高き皇帝の時代であっても、アウグスツスが作った仕組自体は変わっていない。結局は、
各皇帝の人としてのあり方が権力の使われ方に大きく影響しているというのが著者の結論だ。

結局は、どのような仕組もそれを運用する人間との関係において、その効果の現れ方は大きく変わってくるという意味において、
歴史が教えてくれていることは現代の企業組織においても全く同じことが言えている。つまり絶対的な仕組というものはなく、
仕組と意思と現れ方によって評価するしかない。しかも現れ方については、当時の評価と後世の評価とがあるため、
本当に何がいいのかは分からない。

 

 

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