ローマ人の物語24・25・26-賢帝の世紀(上・中・下)

塩野七海(著)新潮文庫(2006年)

いわゆる五賢帝の時代の話である。トライアヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウス

マキアヴェッリの言葉としてリーダに必要な三要素「力量」「幸運」「時代適合性」の三拍子が揃った人たちが続いた時代。

それぞれ時代が流れる中で置かれている背景は異なるものの、やはり時代に適合した治世を行なった人たちゆえ歴史に名を残している。

ローマ帝国とユダヤの関係、ユダヤからキリスト教が派生していく過程は、知らなかったが、まさにこの時代の出来事である。
「ユダヤの神以外を神と信じてはならない」という教義に基づく神を信ずる一神教と、教義を持たぬローマのような国の違いは、
国家が国家として拡大発展していく過程で、他を許容しながら包容していくことの重要さを感じさせる。

最後に箴言を記録しておく。

「感情を抑制するのに、賢者の哲学も皇帝の権力も何の役にも立たないときがある。
そのような時は男であることを思い起こして耐えるしかない。」

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

CAPTCHA


計算式を埋めてください * Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.