2015年12月04年読了
この著者の歴史観はさておき、日本史を考察する上で「百姓=農民」という考え方は大きな誤りであることは、知っておくべきことだろう。これだけ海洋資源が豊かな地域において海で生活している人たちが、米経済だけの中で存在したとは考えにくいが、いつの間にかそのバイアスに掛かっている。
同じく、農民すなわち搾取された貧しい存在というのもある歴史観から作られたステレオタイプであることを示唆している。いわゆる豪農の存在に限らず地域をゆるやかに支配(秩序を維持するという目的で)してそこに存在価値を見出した人たちが都市に近い集落を作り上げていたというのも、興味をそそられる内容だ。
天皇制を日本として維持すべきかどうか、若い世代が見直すべきだというのは、いったいどういう意味なのか、言っている本人に聞いてみたい。