2015年12月11日読了
ITコーディネータのケース研修講師に紹介された書物で、久しぶりにビジネス書を紐解くきっかけとなった。
不確実性の高い時代においては、将来を予測してしっかりと対応していくということよりも、小さく初めて仮説を検証しながら進めていくプロセスが成功へ最も近いという。特に、中途半端と提供側が考えていても、顧客側はそもそも「完成形」へのイメージがないのだから、早めに提案して反応を見ることが必要だという。
システム化された状態は最も効率的な状態として理想と考えず、システム自体はそれを使いこなせる人とともに存在するという見方は、実はテイラーからあったというのは目からうろこ。
クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」を推薦するあたり、もはや「IT企業」という捉え方自体を我々が変えていかねばならないという警鐘だ。運送屋がトラックを使うごとく、新興企業が情報技術を使うことは当たり前の世界で、それをどうビジネスに活かしているかという観点で語る必要がある。