ローマ人の物語29・30・31—-終わりの始まり(上・中・下)

塩野七海(著)新潮社文庫(2007年)

タイトルは「終わりの始まり」という一風変わったものだが、ユリウス=カエサルから始まった大ローマ帝国が衰亡していく始まりを、
著者は最も偉大と言われるストア派哲学者でもあった皇帝マルクス=アウレリウスの時代としている。この皇帝の死から跡目争いが続き、
皇帝の座が政争の対象となる。

思うに、跡目候補がすんなり決まらないのは、結局、大勢が納得するだけの器と技量を持った人物がいないためであり、
そのようなときには皇帝の位を決める方法論よりも、皇帝という地位によらない異なる政務の遂行方法を考察すべきタイミングなのだろう。
完璧な制度はないし、制度の良し悪しは結局は運用する人の能力によって決まるということを悟らせる巻であった。

本年1月から読み始めたローマ人の物語も、文庫版での既に出版されている分に追いつくことができた。単行本では全15巻出ているが、
本編で残り4巻となった。

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