2016年2月6日読了
「おひとりさま」の上野千鶴子氏の昔の作品だ。文庫で1500円は高い。
女性が性的に成熟して成人するまでの間を「使用禁止期間」とすることで少女たちは自らに市場価値があることに気づき、「不純」異性交遊や「援助交際」という市場が生まれているという着眼は注目に値しよう。鑑みるに貞操教育とは家制度の維持するための男系社会と表裏であり、社会的に作られたものである。「若いうちは勉強が大事」という親の意見も社会生活に必要な学習生産性を上げるための方便のようにも聞こえてくる。少子高齢化や晩婚化という見方すら、とある状態をベストとする前提がありそれ自体がどういう価値観に基づいているかを疑ってかからねばならんだろうと思わせる。