静かなリーダーシップ (Harvard Business School Press)

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ジョセフ・L. バダラッコ 渡辺 有貴
翔泳社

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2016年３月７日読了

リーダシップといえば、ビジョンを持ち、目標を明確に示して、周囲を納得させ、実現していくというアクティブなイメージで語られることが多い。本書ではそれを「ヒーローのような｣と称しているが、対象としているのはそのようなタイプではなく、どちらかといえば、熟慮して必ずしも｢正解｣とされる手法をとらず、時には妥協もして、自分なりに満足する結果を選択するタイプのリーダについて論ずる。

正しいと信じることについて特に周囲の納得があれば、大々的にメッセージを発してことを進めていくことはさほど難しくはなく、また事例としても目立ちやすい。しかし、静かなリーダーシップは自己の中の価値観の葛藤があり、どちらかを選択するわけでもなく、両方を満たすように行動しようとするところから、スピード感も低く声も小さくなりがちで、｢発揮｣そのものが目立たない。

しかし時に組織において重要な役割を担うことがあるという研究である。