悩む力

悩む力 (集英社新書 444C)
悩む力 (集英社新書 444C)

posted with amazlet at 10.07.05
姜 尚中
集英社
売り上げランキング: 2058


著者のことはTVでたまに出ていることくらいしか知らない。
しかもこの本がなぜ家にあるのかよく分からない。自分は買った覚えがないから。
哲学書というよりはエッセイだが、夏目漱石の分析がとても面白い。
漱石の小説はひとえに「暗い」の一言に尽きるが、その暗さを分析し、西洋社会に触れた一人の日本人が、進んでいく時代の流れには抗えないとおもいつつ、一方でこのままの方向では自分を見失ってしまうというジレンマの中で、悶々としてしまう日本人を描いているというところが、いまの自分と重なるところがあった。また著者自身のものの考え方のようなところが自分と似ているところがあり、自分の世間並みを確認することができる。
著者に言わせれば悩む力とは哲学する心であり、思索する力とも換言できるかも知れない。
しかし、それは当たり前の話であって、さらにその二歩くらい先をこちらは期待しているのだが、新書では無理なことは分かっている。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

CAPTCHA


計算式を埋めてください * Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.