人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇

2018年8月15日読了

前回の同名の書物が(タイトルはないが)西洋哲学編であり、形式知を知とする西洋的な考え方で人工知能が作られていることを説いたもの。今回は、東洋哲学編であり主として仏教や東洋思想と知識との関係において人工知能を議論する。
東洋思想の特徴として経験に基づく知識をそのまま経験知として認める点を挙げ、一般的な人工知能にはこの観点が抜けているため、人工知能が対象としている知識がかなり偏狭な世界であることが相対視される。
知識、知恵、知性という言葉がそれぞれにあるのは、経験知が知恵を生み出すことや、知性が問題の新たな枠組みを認識することなど、人工知能にできないことはまだまだたくさんありそうだ。
巻末に大山匠の解説「言葉が尽き、世界が現れる」の禅の十牛図をつかった知の解説が特に興味深く読める。

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