2018年9月17日読了
道路の渋滞はどのような原理で発生するかという疑問を原点とし、様々に流れるもの動くものについてその経路で発生する渋滞やよどみについてわかりやすく説明しており、あっという間に読んでしまった。
最後の章は渋滞学それ自体が置かれている学際的な環境についての著者のボヤキが聞こえてきた。
渋滞学は物理学や情報学など様々な「動くもの」と関係している学問で、大学では工学部で扱われる。
背景には数理や確率論がある一方、必ずしも要素還元的な思想だけでは解決できない部分もあり、幅広い見識が問われる。
しかし、最近は学問分野ごとの専門特化が進み、お互いの分野を通じた知見を持つ人材が育ちにくくなっているという。
何処も悩むところは同じだ。