「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明


2018年11月17日読了
クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」を経済学の立場から企業行動を研究した著者が、噛み砕いて研究内容を解説する。
「ジレンマ」自体の内容を知っていないと読んでも面白くないかもしれないが、冒頭から「経営者がバカだから失敗した」としか書いていないと一刀両断。但し、内容を批判するものではなくむしろ素晴らしい研究であり、それをベースに自分の研究が成り立っていることはきちんと断っている。

既存企業が新参企業よりも能力的には遥かに勝っているのになぜイノベーションに失敗するかという点について、「ジレンマ」が示唆しているのは、既存企業は優良顧客を抱えているため既存の売れ筋と新しい商品との間で共食いが起こるため新領域に進出することに躊躇してしまうという。

著者はこれに対して経済学の立場から数字で実証しようというしているため、いわばエッセーの領域であったクリステンセンの論旨がとてもわかり易くなっている。

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