異端の統計学 ベイズ


2019年3月4日読了

ベイズ統計の解説ではなく、ベイズ統計に関係してきた歴々の統計学者などが、具体的にどのような事象で関係したかを掘り下げた紀伝体。

原子力発電所の事故の確率、海中で行方不明になった潜水艦の探索、などのイベントでベイズ理論が活用されつつも、それを用いた人がベイズ理論に拠ったことを隠さざるを得なかった背景など、これまでのベイズが頻度主義者の影に隠れていなかった事情が盛りだくさん。

今や機械学習などでベイズ理論抜きには実現が難しくなって日の目を見ているだけに、こういった歴史があることは知っておくと、それを信じて学問として伝えてきた人たちへの敬意と感謝の気持ちを持たざるを得ないが、一方で学問がその時々の政治や権力闘争によって歪められる点も認識させられる。

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