〈ひと〉の現象学

鷲田先生の文章は哲学書にありがちな小難しさがなく語り口の味わいが深いので、好んで読んでいる。
得てしてこの手の書物は、雑誌の連載物の書籍化が多いため、読者が私程度を想定されていて、教えられている学生さんのレベルではないからなのだが、読んでわかるというのは気分がいい。

以下のくだりが気になったので、読み返すためにメモっておく。ーーシヴィル「市民」が市民になるとき

現代の科学技術は高度に専門化し専門家以外には評価し得ないものになっている。一般市民に影響が大きいにもかかわらず理解構想できなくなっている。しかし専門研究者も自らが専門とする分野以外は構想できなくなっており、「特殊な素人」である専門研究者も非研究領域では、結局は専門分野の社会的影響を評価できない。

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