計画停電の謎

東北関東大震災で電力不足を招き地域を区切って特定時間の停電措置が採られている。
私など自分のことしか考えない者はまず住居地や職場が影響を受けるかどうかが気になって調べたりするのだが、簡単なようで難しいのが実情だ。停電エリアとして公表されている行政区域が必ずしも電力の供給単位ではないことだ。
電話や電線は必ずしも行政区域に沿って敷設されていない。
それはネットワークの発達を考えれば理解できる。
例えば、電話であればまずは行政に用いられるから、市役所同士を結ぶ回線が作られるので、大抵の電話局は市役所の近所にある。そして、そこを起点にその地域のネットワークが発達していく。いったん形成されたネットワークは、全く異なる新たなネットワークを形成する計画を作らない限り、同じものがメンテされなければならない。つまり移転することが難しい。これは、行政区が統合されたりしても同じことだ。
一方で、大規模宅地造成などするとそこに回線を新に敷設するには、行政区域内の回線よりも隣の行政区から引いたほうが低コストで敷設できることもある。こういう判断の結果は、行政区と電話の市外局番が一致しない問題として現れる。
電気も同じような理屈だろう。
電柱を見ると、番号が書いてあるが、これを見るとどこから電気が来ているのか凡その想像がつくが、必ずしも行政区とは一致しない。
つまりは、電話なら局舎、電気なら変電所が起点となっているので、計画停電などはその変電所単位で行われているのではないだろうか。また鉄道などは独自の変電施設を持っているから、必ずしも地域とは関連しないが、他方、遠方の停電がダイヤに影響するのでそのあおりを受けてしまう。
(3月20日追記)今朝の日経新聞によると、変電所から送電する地域は随時変更されるようだ。つまり一つのエリアは複数の変電所によりカバーされており、随時需要に応じて変更されているようだ。
西武池袋線の所沢駅から練馬駅に向けて地図をたどっていくと、
埼玉県所沢市→東京都清瀬市→埼玉県新座市→東京都東久留米市→西東京市(旧田無市)→西東京市(旧保谷市)→練馬区
という具合に、行政区が鋸の歯のように線路にかかっているのが分かる。この地域は、最も面積の小さい市が並んでいる場所である。
地域の歴史を紐解くと、旧保谷市は、埼玉県に属していた時期、品川区に属していた時期、神奈川県に属していた時期がそれぞれある。

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