ローマ人の物語8・9・10-ユリウス・カエサル(ルビコン以前)

塩野七海(著)新潮文庫(2004年)

カエサルがガリア遠征し、ドーバー海峡を渡ってイギリス、そしてライン川を越えてドイツまで攻め入り、現在の西ヨーロッパを制覇して、再びローマに戻る直前までのストーリー。

タイトルにある「ルビコン以前」とは、ローマ本国とローマ属州との国境を示すルビコン川のこと(恥ずかしながらこれは知らなかった)。ガリア遠征末期にローマ本国の元老院派が政界を牛耳りカエサルを排斥する動きに出たことから、「謀反」を起こして本国に戻るその瞬間がルビコン川を渡るところである。

ガリア遠征についてはカエサル本人による「ガリア戦記」がありこれに則して記載されている・・・が、どうも著者は女性でありながら政治描写よりも戦場描写のほうが得意なようだ。カエサルの天才的判断と合理主義とに基づく堅実かつ大胆な判断と行動が生き生きと描かれている。

 

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