塩野七海(著)新潮文庫(2005年)
暴君(と言われる)ネロの自殺から、いわゆる五賢帝のネルヴァまでの時代である。
皇帝と云えども権限は元老院という組織と微妙なバランスによって成り立っており、
またローマ帝国自体がローマ本国と属州国などとのミリタリーバランスによって維持されている、
そういった中での皇帝の存在が実は小さなものであったかもしれないというテーマ。
ベスピオ火山が噴火し、ポンペイの街全体が火山灰に埋まってしまう時代である。この巻末年表は、以前と異なり「同時代の日本」
ではなく「世界」の動きが載ってきている。ようやく東西の交流が始まる頃なのだろうか。