平成27年国勢調査で初めての人口減少

日本沈没の序章か? 人口、調査開始以来初めて減少 1億2711万人、高齢化で死亡者大幅増加
http://www.sankei.com/politics/news/160226/plt1602260007-n2.html

そう大騒ぎするほどのことではないのだが、何せ日本の歴史始まって以来、人口は増え続けてきたので、まさに前人未到の領域に入ろうとしているという状態だ。

国の無策を論じたり、国力が落ちるとか、さらには諸外国は人口が増えているなどの議論があり、それらは一律「人口減少は悪いことだ」という価値観が先行しているように見える。

人口を増やすには出生数を増やすか移民を増やすしかない。移民による増加は諸外国における人口増の重要な部分を占めているはずだが、日本ではそのような議論はまだタブーに近いものがある。また急激な出生数の増加は「団塊の世代」を生み出し、60年後には次の人口問題の原因となる。

そして、そもそも人口減少の中心は65歳以上の高齢者の死亡によるものであり、自然減である。団塊世代が平均寿命に達する2030年くらいまではかなり急速に人口減少は進むとされているのだから、ある意味、ここは国策や移民で補おうという議論をしても仕方がない。経済的に割り切った言い方をすれば、労働人口でない部分の減少はプラスに働くし、むしろそれまでしばらく続く高齢者割合の増加にどう対処するかである。

生産年齢を15歳から65歳と決めて、教育が大変だとされる15歳未満と医療介護などにお金がかかるとされる65歳以上の割合を見ると、人口減少局面では、高齢者が増えて未就学児が減るという構造なのだが、いまの未就学児が生産人口の中心となる30年後にいまの生産人口の中心である30歳から45歳歳あたりが高齢者世代になるときの人口バランスは目に見えているわけだから、対策の施しようはある。

人口の増加のひとえに叫ぶことは、大きくなることはよいことだという成長神話の一つだが、地球が有限な資源であることを前提にすれば、ある程度の幅の中で増加減少を繰り返している状態が、もっとも健全なのではないか。

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