生き抜くための数学入門

生き抜くための数学入門 (よりみちパン!セ)
新井 紀子
イースト・プレス

2016年2月28日読了

根源的に定義を捉えて簡潔かつ厳密に記述しようとする数学は一部の人をかなり魅了するものらしいが、その他大勢(少なくとも私)を遠ざけていることは間違いない。
しかし著者は「数学嫌い」と自称しているだけではなく、確かに大学も法学部(しかも私と同じ)でブンケーな人である。
そういう人が数学をどのように捉えてきたかという話を、算数、幾何、代数などの各領域で、3人の子供に会話させながら、とても分かりやすく説明した良書。
三角関数やテイラー展開は機械的に「覚える」作業をしてきたが、なぜそういう形が導かれてきたのかという話を、数学的ものの捉え方を失わずに丁寧に説明しているので、読もうとすればさっと読めるし、じっくり味わいながら読むと「あぁ、そうだったのか」という感動がある。
ルビすら振ってあるところを見ると、小学生の高学年あたりをターゲットにしていそうだが、むしろ大人が読むと、私と同じ感慨を持つだろう。

子供の頃(遅くとも中学生あたり)に本書を読んでいれば、自分の人生は変わったかもしれない

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