十八史略1・2・3・4・5

徳間文庫(2007)
1.覇道の原点 丸山 松幸 (翻訳), 西野 広祥 (翻訳), 『中国の思想』刊行委員会 (翻訳)
2.権力の構図 市川 宏 (翻訳), 竹内 良雄 (翻訳), 『中国の思想』刊行委員会 (翻訳)
3.梟雄の系譜  奥平 卓 (翻訳), 和田 武司 (翻訳), 『中国の思想』刊行委員会 (翻訳)
4.帝王の陥穽 中国の思想刊行委員会 (翻訳), 久米 旺生 (翻訳), 丹羽 隼兵
5.完了の論理 中国の思想刊行委員会 (翻訳), 村山 孚 (翻訳), 守屋 洋 (翻訳)
現在、中国と呼ばれている支那地域の正統史とも言うべき歴史書で、文字通り18の史書を概略して一つにしたもの。最古とされる夏王朝から元の滅びるまで(日本の鎌倉幕府が崩壊する時期)を扱っており、それだけでも膨大な歴史を一つにまとめるにはそれなりの苦労があったろう。


本自体は、日本語による翻訳と原文抄と読み下し文が併記されており、自分はとりあえず日本語だけ読んだが、結局1月に読み始め、今日までかかってしまった。まぁ途中他の本を読んだり、疲れているときは電車で寝ていたりと、時間をかけたことだけは間違いない。
これを読むと国家の栄枯盛衰は必ずしも一人のエリートによってなしうるものではない。しかし、人物中心に書いてあるためなのか、やはり人の影響が大きいと感ずるだけでなく、その影響力を持つ人が時代時代で変わってくるところに、長期間の歴史を通史として読む面白さがある。
国が興り、戦略家としての国主が国を広げ、経営者的国主が国を豊かにし、官僚が国を安定させ、官僚の腐敗と国主の怠慢・無関心が国を乱れさせ、民衆の蜂起が新たなリーダを生むという流れが表現されているようだ。

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