「独裁者」との交渉術

もう4年近く前に買って本棚に眠っていた本を掘り起こした。

タイトルの「独裁者」は言いすぎだと本人もあとがきで言われているように、いささか陳腐なタイトルが付けられたために本の価値を下げているが、内容は当時、国連の日本人初の職員だった明石康氏の特別代表としての地域紛争に携わった頃の著者木村元彦のインタビュによる裏話である。

氏はカンボジアPKO、ボスニア紛争、スリランカ紛争など大国の利害と地域の紛争とが混沌としているところで、国連としての中立と自らの人道主義に立ち、当時の為政者との交渉の舞台を立ち回った。誰に味方するわけでもなく、おそらくはいろいろな妥協もしながらまた意見も引き出しながら、着地点を見出していき、結論を出していく人物のあり方が、インタビュからはよくわかってくる。

各国の代表者とされる人物の対面での意外な側面や、交渉の舞台裏などが淡々と語られているが、いかんせん、その頃の記憶が自分にないために、やや臨場感に欠けてしまったが、他方、数年経った今でも読み手に伝わる緊張感は、やはり交渉当事者本人が語るところに依る部分が大きい。

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