地域再生の失敗学

地域再生の失敗学 (光文社新書)
飯田 泰之 木下 斉 川崎 一泰 入山 章栄 林 直樹 熊谷 俊人
光文社 (2016-04-19)

2018年3月15日読了
面白いタイトルに惹かれて購入。

地域の「現場」に近い人たちからの実感が質疑応答の形で述べられている。
地方の町おこしは成功パターンばかりが紹介されて失敗はなかなか紹介されないか、「箱もの」を作って誰も使わないというケースが多いが、本書はそういう意味での失敗ではなく、本来の目的とは何か、またそこから外れたものを失敗とした場合に、どのように失敗しない方法がとれるかという点に力点が入っている点が斬新である。

結局は住んでいる人たちが住みやすい町を作るというところに帰結するが、行政サービスの継続性とコストの問題と合わさると途端に問題が難しくなり、補助金に目が行ってしまう構造が見て取れる。民意を表すはずの議会の機能が大事なのだが議会でどういうことが議論されているかという点についてはあまり触れられてはいない。

仮に民意を議会が反省していないとか、あるいは民意を違う方向に誘導しているとすれば、民主主義の根幹にかかわる話である。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

CAPTCHA


計算式を埋めてください * Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.