新しい1キログラムの測り方


2019年2月17日読了

(昭和時代の)高校生までに習ったことは平成の間に随分と変化した。
歴史なら鎌倉幕府の開府が1192年から1185頃に、仁徳陵が大仙古墳、足利尊氏像は単なる騎馬武者像という具合に。
自然科学の領域でも、7つの基本単位の中で質量の測定の単位が変わったらしく、1kgはキログラム原器の質量であったものが、プランク定数を定めることによって論理的に決定されるらしい。
1kg=波長633nm(赤レーザー光)の光子の3×10^35個分のエネルギーと定義される。
同時に、アンペア、モル、ケルビンも影響を受ける。
これによって体重が変わったりするわけではないので、直接的な生活への影響はない。
が、計量学者と呼ばれる人たちが単位というものに込めている普遍性という価値観の追求姿勢や、より真理に迫ろうとする姿勢は、同じ「測定」を扱う会計学の世界でも見習うべきものがあろう。
一番の違いは、会計には(業績の)測定方法の正当性に対して客観的な評価基準がないことであり、いわば価値という曖昧な概念を測定対象にしていることからくる難しさはある。しかし、社会科学が合意形成を目指しているのであれば、測定の考え方を普及させるという点では自然科学よりもさらに熱心であるべきだが、そのへんは必ずしも十分ではない点は、省みる必要があろう。

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