効率的生活習慣

先日、朝の通勤電車で立ってバナナを食べている女性がいた。一本ならず二本。
件の女性、よほど朝が忙しいのか寝坊したのか、そのあとお化粧もはじめ、終点に到着する頃には別人になっていた。ホームに降り立ったときには、目の前のゴミ箱にバナナの皮の入った買物袋をぽんと捨て、「何食わぬ」顔で雑踏の中に消えていった。
よくよく考えると、彼女は朝の通勤時間を実に有効利用していることになる。
栄養価の高いバナナを食べることで一日のカロリーを補充しつつ、食事時間を睡眠時間に充てているだけでなく、お化粧までこなしているのだから。さらに、家でバナナを食べればゴミを捨てなければならないが、その手間を駅のゴミ箱に捨てることで省いている。鉄道会社のサービスを利用する達人である。
他に朝することといえば、「うん*」と歯磨くらいだが、これはさすがに車内ではご遠慮願いたい。
そこで鉄道会社に提言。
最近、「女性の意見」を採り入れて女性専用車両というのが一部で導入されているが、利用者にはなかなか好評のようである。さらなるサービスを強化策として、座先の代わりにコンパートメントを用意し、中に洋式トイレを仕込むというのはどうだろうか。コンパートメントの扉の内側には鏡をつけておく。そうすれば、件の女性は、便座で用を足しながら、バナナを食べ、お化粧ができるのだ。しかも座ってである。ついでに液晶ディスプレイをつけてTVが視聴できるようにして差し上げよう。
もちろん有料の指定席券を発行するのだが、効率的生活習慣を身に付けた彼女たちには、少々高値でもきっとうけるに違いない。

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