中尾政之(2005年初版)森北出版
過去に起こった事故を設計者の立場から分析した事例集。
事故はシステムの失敗であるが、システムの失敗は想定している人間の行動が想定範囲から逸脱したときに重要な事故につながる。そのときにシステムが動かないようにフェールセーフの仕組みを入れておくことが重大事故に至らせないという考え方がある。
しかし、素人はシステムが作動しないこと自体が重大な事故を招くのではないかと邪推するのだが、その辺の考え方についてはよくわからない。
かくして事故はまた起こる。
最後に筆者が「30年前に先祖帰りして企業を上から下までファミリーにしたほうがよい」と言っているのは皮肉である。つまり現代の企業システムよりも旧来の方法によるほうが失敗知識が行き渡りやすいという。かといって、「精神論よりもハイテク装置」とも言っている。
メカはハイテクだがそれを動かす組織は旧式で本当に失敗は防げるのか、著者も逡巡しているのか。
組織論の研究も必要なのだと再確認させられる。
