唐突な話題だが、上海に出張に行ったときに、浦東空港へ向かうタクシーの横をリニアが猛スピードで過ぎていった。
タクシーが120km/hくらいで走っている横を、あのスピードで走るのだから、相当速いのだろう。
日本でも私が子供の頃から宮崎で実験をやっていて、「夢の超特急」とか電磁石で走るとかいろいろ話題を振りまいたが、何時の頃か山梨に実験線が移されて久しいが、相変わらず実用化には向かわない。
用地買収を含めた設備投資が大きすぎるなどの事情もあるのだろうが、本当の原因はスピードが速くなっても輸送効率が上がらないからではないかと前々から密かに思っている。
というのも、列車の定員が新幹線と同じとして、250km/hで走る新幹線に対して、リニアが仮に500km/hで走るとすると、乗客は倍のスピードで捌けるから、単純に考えれば輸送効率も2倍になりそうである。
しかし、スピードが倍になれば制動距離は速度の自乗に比例するから単純には4倍になる。つまり、前の列車で何か事故があったときに緊急停止できる「車間距離」をとる必要があるのだが、新幹線が4kmくらいの制動距離をとっていたとすると、リニアは4倍の16kmの制動距離をとらねばならないことになる。
乗客となる一人ひとりにとっては速い方がよいのだろうが、全体の輸送能力からすると、速ければよいというものではないのではないか。つまり、金をかけても輸送能力が上がらないのであれば、新幹線と同じ料金水準で運行できる飛行機のほうが、結局は分が高いということになりはしないか。
どなたかこの疑問を解きほぐしてくれる人がいたら教えて欲しい。
日経新聞(2007年3月4日14版)「そこが知りたい」でJR東海の葛西会長が中央リニアについて触れている。
年3000億円の潤沢なキャッシュフローを活かし、東京大阪間を1時間で結ぶ中央リニアを自社で推進すると。8兆円の資金が必要らしいが、単純には30年で返せる計算になる。
今後10年で山梨実験線を18キロから42キロに延伸して実験をするらしい。
「実用化に近い環境で走行試験をすれば、新しい問題点が出てくるかもしれない」とあるが、私の疑問には答えていない。