なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか――新・言霊論(祥伝社新書289)
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井沢 元彦
祥伝社
祥伝社
逆説の日本史シリーズで知られる著者は、この言霊論で名前が売れるようになったといっていいだろう。
日本の歴史は言霊思想が支配しており、現代日本でも根底は変わっていないというのが、著者の主張である。
言霊とは言葉に魂が宿るという考え方で、口に出すこと(言挙げ)によってそれが実現するという考え方につながる。したがって、タブーとなるようなことは口に出してはならない。
言葉をなくせば忌むべきことがなくなるという発想に転化していき、これが遂には言葉狩りに繋がる。
8m以上の高さの津波を想定して対応することがリスク管理だが、リスク管理をすることはそれが起こってしまうかもしれないとして、「想定外」においてしまう。
軍隊を持つことは戦争を招いてしまうので、自衛隊にする。(何が違うのかよくわからないが)
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最悪の事態を想定するという行為自体が、言挙げに繋がってしまうから、忌み嫌って避けてしまう。根底が言霊思想に支配された日本人の考え方がある限り、日本にリスク管理は根付かない。
それに気が付いた我々はこれからどうすればよいのか考えねばならないが、考えられないとすれば、それ自体が言霊支配なのか・・・。
