反哲学入門

木田元(著)新潮社(2007年)
本書は著者が口述したものを編集者が筆記して雑誌に掲載されたものを、改めて稿を見直し出版されたもので、哲学をテーマにした書物にしては読みやすい。一般に翻訳調子の哲学書は日本語が何をいいしているかがよく分からないので、自分の言葉で書かれているものは読みやすいのである。
哲学とはもともと明治の初めには「希哲学」という訳が充てられていたらしいが、いつの間にか哲学になったようだ。希はもとめる、哲は知という意味であるから、文字通り地を求める学問ということだ。
ヨーロッパの思想の根底はギリシャ哲学にあり、超自然(=形而上)を対象とするため、必ず対象を捉える(存在)という考えが起こる。他方、自然と一体化して自己を捉える東洋的発想にはこの考え方が理解できない・・・・というのが主題なのだが、やはり哲学は哲学である。難しい。

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