パラダイムの魔力

パラダイムの魔力 新装版
ジョエル バーカー
日経BP社

2016年2月28日読了

ベストセラーでもなく長く売れ続ける本というものは、本質を突いて無駄な説明がなく、結果的に読みやすい。
本書はその典型であろう。
たまたま日本橋丸善にふらりと立ち寄って見つけたもので、アマゾンのお勧めですらヒットしないので、本屋は行くものである。

パラダイム変革の例としてMade In Japanが取り上げられているのは、20世紀最後の10年に書かれた本だけのことはある。その後の失われた20年は想像もつかなかったのだろう。

思い込みに囚われずパラダイムを変えていくことの大切さを説く内容だが、引用にそれを言った人を含めて面白いものがあったので記しておく。

蓄音機に商業的価値は全くない---トーマス・エジソン
俳優の声を聞きたいと思う人などいるわけがない---ハリー・ワーナー
世界でコンピュータの需要は五台くらいだと思う---トーマス・ワトソン
個人が家庭にコンピュータを持つ理由など見当たらない---ケン・オルセン

それぞれ言った人のその後の事績を見れば、パラダイムの転換が如何に重要なことかがよく分かる恒例だろう。

次の言葉は肝に銘じたい。

管理はパラダイムの中でおこなうもの
パラダイムの間を導くのがリーダー

ICSの卒業式でDEANのスピーチを思い出す。

Don't manage, but lead.

しかしパラダイムに支配される職業として公認会計士が簡単に計算ミスをする例が挙げられているのは苦笑せざるを得ない。

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