最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか

2018年2月24日読了
講談社の新書で「会社を変える分析の力」を読んだときに、この著者に興味を惹かれたが、なぜそれを書いたかが、この本を読むと分かる。外から有名になって中で価値を認めさせるという著者の術だった。
大阪ガスでデータ分析組織を立ち上げてから18年間の歳月をかけて現在の形にまで持ってくる仕事に関わった所長さん自らが語る。
「データ分析組織」という言葉から連想するのは、会社のデータを分析してマーケティングとか人事考課とかいろいろと活躍される絵を思い浮かぶが、本書が対象としているのは、あくまでもそういった組織を立ち上げて軌道に載せるまでの著者の苦労話。そして実現しようとしているのは、データ分析ではなくそれを通じた会社の改革だった。したがって、データ分析事例はまったくなくむしろ組織で企画を実現させるにはとか、人のモチベーションを維持するにはといった、経営的センスを刺激される話がほとんど。
組織論やリーダシップ論が満載の内容で、学術的ではなく体験談であるために、生きたケースとして読み応えのある内容となっている。
自身のアプローチを反省することもたくさんあり、もっと早くこの本に出会っていれば、過去の10年間は違ったものになっていたかもしれないと考えたりもするが、それは自分の経験があるからこそ言えることなのかも。

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