行列簿記の現代的意義ー歴史的経緯と構造の視点から

2021年2月1日読了

行列簿記という言葉を知る人は、会計人の中でも研究者か会計情報システムの理論的な側面に関心がある人に限られるかもしれない。その行列簿記についての歴史と、コンピュータデータベースとの関係性を研究したもので、本書は著者の博士課程の研究がベースになっている。

自分が興味関心があったのは、行列的な簿記処理ではなく、まさに線形代数としての行列を用いた簿記や会計処理についてであったが、その言及は期待ほどは含まれていなかった。

もっとも管理会計に行列簿記を活用しようという著者の視点は、それを統計分析で使えると考えている自分の考えと繋がるところがあるはずなので、さらなる研究を期待する。