伊能忠敬の日本図

東京国立博物館の企画展示に行ってきた。
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1674

多分、本物を見るのは初めてかもしれない。

大々的にされると人が多くて何も見れなく、しかも長時間がかかるので疲れてしまうが、10枚程度の地図で小規模展示なので、来客も少なくゆっくりと(しかも2度も)見ることが出来た。

歩いている所とその周辺という意味合いでの世界観の捉え方は変わっていないが、自分の歩いているところを周辺の山の頂や岬の突端を利用して、客観的に捉えているという点で近代的な地図の作法であることがよく分かる。代表的な場所となところを先ずは決めて三角法を使って相対的な位置関係を決めながら、細部を記述していっているようだが、例えば海岸線の村の位置と近くの山の位置関係は補助線が入っていないので、どこまで正確なのかはわからない。つまりどこまでが近代的な方法に依る地図であり、どこからが「スケッチ」なのか、その辺をもう少し深堀りしてみたいところだ。

絶海の孤島だと思っていた八丈島も、伊豆から島伝いに目視で確認できることがわかり、昔の島流しの際にどのように島にたどり着いたかが、測量の線を伝うことで分かった。また、場所の較正に北極星を使っているため、緯度は近代地図とほぼ同じ数字を使っているのだが、経度は京都を中心に東西に延びているという点が、注目すべきだろう。当時の地理的中心地はやはり江戸ではなく京だったのだ。

展示が暗いので目が悪い自分には細かい字が見えなくなっており残念だが、伊能図の迫力を精緻さは十分に堪能できたのだった。

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