千年、働いてきました--老舗企業大国ニッポン

野村進(著)角川書店(2006年)

日本は世界に冠たる老舗大国だという。いわゆる歴史のある会社というのは世界的もたくさんあるが、日本ほど歴史の長い会社が多くある国は他には類を見ないらしい。記述には著者の思い入れがあり、事業の欠点や経営の問題などにももっと触れて欲しかったが、それだけ主観的であるがゆえに、読み物としては面白い。

いずれも「ものづくり」を中心として、歴史を作ってきた会社が紹介されている。読み物として面白いが、まとめとして著者が「老舗製造業5つの共通項」を記している。=以下は閑人のメモ。

1.同族経営が多いが必ずしも固執せず、よそから優れた人材を取り入れることに躊躇しない。=外部の血と知を交えた。

2.時代の変化にしなやかに対応する柔軟性と即応性=常に世間が必要としているかどうかを考える所作がある。

3.時代に対応した製品を生み出しつつも、創業以来の家業は頑固に守りぬく。=コアとなる技術なりノウハウを維持している。

4.分をわきまえている。=余計なことに資金などのエネルギーを使わない。財テクなどもってのほか。

5.「町人の正義」に基づき、売り手と買い手が公平と信頼を取引の基盤に据えている。=お互いが必要とし合っている。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

CAPTCHA


計算式を埋めてください * Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.