中国の思想「孫子・呉子」

『中国の思想』刊行委員会(編) 松枝茂夫・竹内好(監修)村山 孚(翻訳)徳間書店(2008/6/6)
タイトルの孫子・呉子(全訳)だけでなく、武教七書といわれる、尉繚子、六韜、三略、司馬法、李衛公問対、と、付録で損臏兵法(いずれも抄訳)が入っている。
孫子は、ケースバイケースにおける指揮官の判断のあり方を具体的に示している。特に用兵や軍備についての記述は、組織における人の用い方や仕事の準備における心構えなどにも通ずるところがあり、組織人(特に経営層)に受けるのだろう。
孫子の「戦わずして勝つ」という発想は、戦争の勝敗は個々の戦術的なことがらよりも、もっと大きなところで決まるということを言っている。個別の戦術を論じながら、ものの視点をいかに高いところに持つかということは難しいことであるが、仕事では肝要なことである。
何度も読み直したい、というのが、読後の一番の印象である。

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