クラウド時代と<クール革命>

クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21)
角川 歴彦
角川書店(角川グループパブリッシング)


出版界をリードする角川グループの経営者自らが、日本のコンテンツ産業の方向性を自己の文明観に基づいて語る。
個の台頭によりマスが存在意義を失い、個が主体となることで従来マスの影にいた「オタク」が表に出るようになった。こう考えると従来のマスメディアは効率的流通手段の結果的形態でしかなく、インタネットをはじめとするデジタル流通手段により、ビジネスとしては全く新しい市場が、クリエイタにとってはまったく違った作品の発表手段が提供される。
デジタル化時代のコンテンツ産業は、容易な複製、課金手段によって限りなく無償取引に近づこうとする力学が働くが、他方でコンテンツをどうやって育てるかという課題が残っている。
しかし流通や媒体がデジタル化すれば、制作もデジタル化されるわけで、従来とは異なる新しい制作方法や資金調達手段も出てきている中で、おそらく新しい産業構造、いや、新しい文化と産業との融合形態が出てくるだろう。
著者の発言はそういう期待を抱かせる。

2 thoughts on “クラウド時代と<クール革命>

  1. 先日某図書館長に中国の図書館展のパンフレットを見せられて、「これ何か分かりますか?」と。「むむ、雲?ああ、クラウドですね」なんだかクイズみたいです。


  2. クラウドコンピューティングは、雲電脳?
    ITは進化が早いから、言葉の定義が明確でないことが意外に多いのですが、現場は困らないのですかね。


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