人間の基本

人間の基本 (新潮新書)
人間の基本 (新潮新書)

posted with amazlet at 12.07.21
曽野 綾子
新潮社


仰々しいタイトルで、帯には「生き方を見つめなおそうとしている人へ」とある。
しかし内容は難しくない。著者の本は学生時代にそれなりに読んだので、考え方は分かっているつもりだ。クリスチャンではあるものの、神様を主語にした言い方はしない点が、この著者らしいところだ。
彼女のメッセージは、「人間かくあるべし」ではなく「人とは清濁併せたもの」「人は不平等」である。また「人は一人では生きていけないが一人で対処しようとして他人のありがたさが分かるもの」、といった人間が持つパラドクスを受容する(=そういうもの)ことを述べている。
哲学者の鷲田と共通していることが、生老病死の問題から人間が遠ざかっているという認識だ。

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