安全装置への信頼

ベビーカーが電車のドアに挟まれて電車がそのまま発車するという事故が起きた。大事には至らなかったのが何より。

ドアに物が挟まったときにはセンサーが感知して知らせる仕組になっているが、それが作動しなかったことが事故の原因とされている。

しかし、それは事故の主原因ではなく、事故に至った一要素に過ぎないのではないか。

まず、列車のドアが閉まったかどうかは、ホーム係員が目視で指差し確認しており、車掌に伝えるようになっている。
車掌は自らホームモニターと直接目視により、ドアが閉まったことを確認するようになっている。場合によっては、
運転手も前方のドアが閉まったかどうかを確認するケースがある。

こういった目視が適切に行なわれていなかったことが最大の原因ではないのか。センサーは万が一のときの対策に過ぎないはずだ。

さらに、乗客にも原因はあるのではないか。

最近は混雑する車内でも平気でベビーカーを広げている保護者が多い。あるいはやや傾斜のあるホームでストッパをかけずに「置いて」
あることもある。たたんで社内に入れば、そういうことはなかっただろう。

こういった安全に対する配慮を欠いた乗客と、係員の目視の不徹底と、装置のトラブルと、3つの条件が重なった結果、
事故に至ったのである。

反対に、このどれか一つでも実施されていれば事故は起きなかったのであり、
日頃のちょっとした注意がいかに大事故の防止に貢献しているかということを感じさせる一件である。

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