年金問題の裏にあるもの

払っているのに記録が消えた、年金番号が二つある、などなど世間を騒がせている年金問題。
社会保険庁というか厚生労働省は他の事件ともあわせて最近は肩身が狭い。

十年位前だったか、国民総背番号制が議論されたときはプライバシーがどうしたこうしたで、いろいろと反対意見があったようで、
立ち消えになった「一人一番号」という考え方。今回はいくらか分があるとは思うが、
さりとて杉並区のように住民基本台帳のネットワーク化にすら反対している自治会がある以上、まだ道半ばという気もする。

 

番号が二重になっているとか、支払記録が残っていないというのは、裏を返せば、
集金する側が集金すべき金額であるにもかかわらず集金されていない実態をきちんと把握していないということ。つまり、
ある番号の年金記録が消えていれば、例えば3ヶ月くらいの未納期間が続けば集金するなどの措置を採るのが普通であるにもかかわらず、
なにもしないまま放置したため、記録が「消えた」ことになっていると考えられる。

一昔前は、地方都市では自治体の委託を受けた人が文字通り年金の集金に来て、年金手帳に判子を押していたのを思い出すが、
これがきちんと納付されていなければ、個人の記録と自治体の記録は合わないだろう。文字通り「中間搾取」されたとも考えられるのである。

取るべき金をきちんと取る、つまり債権回収はビジネスの世界では最も基本とされるべき事柄である。
それを怠った付けが高い利息として21世紀によみがえってきたのだ。

多分、税金も同じことなんだろうね。この場合は後になって未納者が不利益を蒙ることはないので、
永遠に放置されうやむやにされるのでしょう。

 

2 thoughts on “年金問題の裏にあるもの

  1. 年金てなんなんだろうね。
    個人個人の財産て考えると今の扱いは到底納得できないし、
    税金だと思ってあきらめてしまうのも割り切りすぎだし。
    ある程度計画性のある人にとっては国が年金を強制するのは
    余計なお世話で、そんなのやめてもらってその納める金で民間の終身年金なんかに各自で入ったほうが納得いくよね。
    計画性のない江戸っ子的な人や絶対的な社会的弱者を救う
    目的だったら、そもそもそういう人は年金の積み立て履歴なんてチェックに行かないし25年積み立てのルールも知らないだろうから今の制度だとフェアな額もらえなかったり支給自体受けられないかもしれない。
    もう国の財政も破綻しかかってるんだから年金制度やめて、
    国民に自己責任の老後の過ごし方を教えて、それでもだめな人は福祉国家(をまだやるなら)として税金で必要な面倒
    みるってのがいいんじゃないのかな。


  2. >陳清明さん
    国が制度的保証(つまり支払を保証)しない限りは、資金の運用市場が同じである以上、民間でやっても結果は同じです。しかも、効率的に運営できるというのでなければ、国がやるべきではありません。
    仰るとおり、弱者保証は税金でやればよいことで、国家が強制的に徴収するという仕組にせず、年金制度は設計を含めて民間に委ね、国家は支払を担保するという仕組に変えるべきでしょう。


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