登山遭難事故

毎年のように夏山の遭難は繰り返される。
2009年7月17日北海道・大雪山系トムラウシ山(2141メートル)で縦走ツアーの参加者ら18人が遭難、8人が死亡する痛ましい事故となった。


一行が避難小屋から出発を決定した16日5:30に入手しえたはずの天気図(16日午前3時現在)。

北海道付近は低気圧に伴う前線が通過して、山岳地帯はもとより地上も荒れていた。低気圧が通過した後は天気は回復しても、北風が吹き込んできて、特に山は荒れるはずである。実際には、正午ころに十勝地方では7mの強風が吹いており、山は相当ひどい荒れ方だったのではないか。
ツアーガイドは、「午前中は前線の影響で天気が悪いが、その後は良くなるだろう」と説明していたという(19日読売新聞朝刊)から、何らかの形で気象情報は入手していたことになる。
午前中は天気が悪いと予想しておきながら出発した判断が問題とされている。しかし、判断の正否よりも、山というTVもない限られた情報の中でどこまで「判断」できるのかを問うべきだ。そもそも判断してよかったのだろうか。
逆境に置かれると希望的観測をして悲劇を招くのは人間の持つ弱みだということを学びたい。

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