ブラックベリー(黒便利)

仕事でブラックベリーを貸与された。
ポケットサイズの端末で、業務用のメール、スケジュールなどがほぼリアルタイムで同期される上、携帯電話のある国ならほぼどこでも使えるという代物である。画面が小さくて不便ではあるが、メールの添付ファイルも開くことができる。もちろん電話機能も付いている(ただし、業務用電話はもともとあるのでそれを使っている。)。あのオバマ大統領も愛用しているというが親近感はない。


そのため、電車での移動時間やちょっと休憩しているときや自宅に帰ってからでも、さっとメールを見ることができる。でも、これは本当に「便利」なのだろうか。これは利便性にかこつけた監視装置なのか。しかも監視するのではなく、監視されるためにあるようなものだ。よくみるとGPS装置も付いているぞ。
貸与され3日で故障したのはご愛敬だが、実際に使ってみると、この上ないストレスを感じる。
それは、こちらがいつも端末を見ているだろうというメール送信者の期待を感じることから来ているようだ。
だから、そういうストレスを感じる人は使ってはいけないのである。むしろ、普段あまりメールを見ないと非難されている人が使えばよい(使う意味が発揮できるかどうかは別として)。
もう一つのストレスは、メール作成に時間がかかること。PCのキーボード入力に慣れている身としては、QWERTY配列とはいえ、あの小さなキーを押しながら入力していくのは面倒である。携帯電話のメールと根本的に異なるのが、両手を使って打つところだろう。それゆえに、かなり画面に集中して入力することになるから、周囲への配慮がなくなり危険でもある。
「あ」と入力すれば、「ありがとう。」「ありません。」など先読み候補表示機能が便利なのだが、必然的にメールで伝えたいことが「要約」されて定型文で伝わることになるため、ただでさえ「書は言を尽くさず」なのに、ますますそれに拍車がかかり、「事務的」なやり取りが増えてしまう。
それでも、やはり、PCは使わなければならない。というのも業務時間とか経費の承認をPCでなければ行えないので、最低毎日一度はPCを開くことになる。結局、その時間以前に見たメールに即答するがメリットなのだが、その程度なら電話とかボイスメールで十分だ。その他のメリットは、空き時間に不要メールが削除できることと、関係者に閲覧開放されているスケジュール表が、出先でも見ることができる点だろう。・・・・結局、自分はITに振り回されているだけなのか?
いつでもどこでも使えるという環境は、自分でけじめをつけねばならない。そうしないと暇つぶしに仕事をするようになってしまう。下手をすると、休暇で旅行に行っても、「もちろん持参されますよね?」と言われそうだ。
それはまるでペットを飼っているようでもある。飼っていればそれなりに可愛く癒されることもある。しかし餌を与えたり適切な面倒をみなければならない。もちろん旅先も一緒だ。
さて、この迷惑な端末は使い続けるべきなのかどうか、使うとすれば、どういう使い方をするのか、思案のしどころである。ペットには飼わないという選択肢があるのだが・・・・。

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