企業改革法が変える内部統制プロセス

IBMビジネスコンサルティングサービス(森本・守屋・高木)2005年初版2刷

日経BP社

内部統制に関する本は最近多いが、この本の特色は単元毎にわかりやすい言葉で記載されている点にある。
また、「内部統制とは」の説明でもなく、「財務報告に係る内部統制」に限定してどうやって監査を乗り越えるか、というようなことでもなく、経営におけるリスク管理の考え方、内部統制の構築手法などを通じて、どのように内部統制という考え方を根付かせていくかという観点で書かれているあたり、さすがコンサル会社だけあるなと思われた。
もとより内部統制はリスクを管理する一つの概念で、完成された形というものはないわけだから、状況に応じて常に変化していくもので、その変化を捉えて内部化していく過程が内部統制の構築である。そこから「財務報告」だけ切り出したところで、評価は可能かもしれないが、それ自体を目的とすることになりかねず、かえって誤解と混乱を招くと考えていたので、本書のような理解をする人が増えることを望む。

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