日本人のためのピケティ入門

12月初めに書店に行ったら白い分厚い本が店員によってつみ木のように重ねられているところだった。
一体どのような本が出たのだろうかと手に取ると、「ピケティ 21世紀の資本」とある。
知らない名前でもあり興味はあったが、なにせ分厚い。持って帰るだけでも体力を使いそうな厚さで、通勤電車で読むにはまずウデの筋肉から鍛えなければならない。

そこで目に止まったのが、隣にあったこの解説本。
60分でわかる『21世紀の資本』のポイントとサブタイトルにある通り、薄い本である。
エッセンスは帯に書いてあるとおり、「資本主義の根本的矛盾はr>gにある」。
資本収益率rが経済成長率gを上回ると格差は拡大するというメッセージが含まれているが、これは慎重に読まねばならない。

ピケティの研究自体は過去の膨大なデータに基づいた実証的なものになっており、戦後の30年間だけは例外的な時期で、それ以外はずっとr>gの状態だったという。

ピケティは一旦資本蓄積が起こればそれが格差を拡大するので、世界的な資産課税をしなければ不平等は解消しないと言っているらしいが、そこは一見わかった気にされるが違和感もある。なぜならデフレという方法との関係がよく解説されていないからである。

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