統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門

学生時代にブルーバックスという存在を知った時に目についたが気にもとめなかった。買って改めて認識したのは、いまより50年近く前に出版された本であり、いまでも続けて読まれているということだ。

内容は、統計の難しい話は一切ない。「ウソをつく法」というのは裏返せばウソに騙されない法であり、著者の意図はそこにある。
「平均」という数字の意味や、グラフの表示により表現している事実は同じでも「印象」が大きく変わること、さらには相関関係と因果関係の手前勝手な解釈、統計の結果と全く関係がないがあたかも関係したような説明、客観的な数字と説明に用いられるときの誤った用いられ方などが、皮肉たっぷりに紹介されている。

数字が作られている社会背景を理解しなければ、本当の数字の意味は解釈できないというメッセージは、昨今のデータ解析ブームへの警鐘とも受け止められよう。

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